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はじめに
最近テレビや新聞で連日,日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁工事を巡る談合事件が大々的に報じられている.小生など人格が卑しいために,ついつい一流ゼネコンの談合課課長のことがうらやましいと思ってしまう.毎月タダで御馳走にありつけ,ゴルフもできて,実にVery Nice&Very Deliciousな業界でいいと.いくら薄給の医師と言えども考えるだけで倫理委員会に査問されそうな気もするが,卑しい性で仕方ない.
橋や道路それぞれにワイロか政治献金か知らないが,何%かがきちんと決まっていて何十年も行われていたとの報道.プロ中のプロの建設大臣ですら《ワイロ》とか《政治献金》とかの言葉の定義をよくわかっていないと見えて,時々逮捕される始末なので,小生などわからないのは当然かもしれない.
上記の財政投融資資金の入り口である郵政はどうであろうか.やはりVery Nice&Very Deliciousな業界でうらやましい.職業に貴賤はないが,天下の一流病院である有明の癌研診療部長よりはるかに高給を取る人が何万人もいると聞いては,心中穏やかではない.ヤマト運輸や佐川急便の人たちが2~3倍の高給なら納得するが,財投の不良債権に年数千億円の税金が補塡されていて,かつ特定郵便局長の地位も世襲制とのこと.8月8日に郵政関連法案が参議院で否決されたが,「今後も財投を通じ公社,公団の非効率な官のシステムは温存され,郵政公社の肥大化を危惧」と日経新聞が報じていた.全くそのとおりだと思う.
一方,われわれ医療関係の頂点に立って指導している厚生大臣は逮捕されたなどということはこれまでにない.やはり人格高潔な人物が歴代就任されているのだと,何となく誇らしげに感じる.大臣が高潔なために検査部の運営も現実的に厳しいのかと,ひがみっぽく考えてしまう今日この頃である.
さて,そろそろ本編のVery Niceではない業界のお話に入ろう.
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