今月の主題 悪性リンパ腫
技術解説
染色体検査
藤原 睦憲
1
,
佐藤 美帆
1
,
向井 裕幸
2
,
佐藤 均
3
Mutsunori FUJIWARA
1
,
Miho SATO
1
,
Hiroyuki MUKAI
2
,
Hitoshi SATO
3
1日本赤十字社医療センター中央検査部病理
2FMLラボラトリー
3東京大学医科学研究所病理学研究部
キーワード:
悪性リンパ腫
,
染色体異常
,
相互転座
Keyword:
悪性リンパ腫
,
染色体異常
,
相互転座
pp.291-296
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902852
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他の腫瘍と同様に悪性リンパ腫においても,染色体異常により,遺伝子の異常の存在が明らかになった.バーキット型で認められるt (8;14)・t (8;22)・t(2;8)をはじめとし,腫瘍の発症に関与する相互転座が病型特異的または腫瘍特異的染色体異常として数多く発見された.そしてこれらの染色体異常が道しるべとなり,例えば転座により癌遺伝子が活性化されるといった,腫瘍発症のメカニズムが分子レベルで詳細に解明されてきている.遺伝子の異常は病勢の進行も含めさまざまな病態とも関連しており,この分野においても染色体分析は主要な役割を果たしている.〔臨床検査 40:291-296,1996〕
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