徹底分析シリーズ ビデオ喉頭鏡:現代の気道管理における立ち位置を探る
初心者への指導に用いるときの注意—アマチュアにプロレベルを求めない
鈴木 昭広
1
Akihiro SUZUKI
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.1152-1157
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200727
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麻酔科医は気道管理において,あらゆる科を圧倒する膨大な経験をもつ。救急外来ですら毎日数件の気道管理を実践し続けることはきわめて困難であるのに対し,麻酔科医は手術麻酔の導入を介して,まさに24時間,週7日,1年365日,マスク換気,声門上器具,気管挿管の経験を蓄積し続けている。さらに,教育を介して後輩麻酔科医,初期研修医,救急救命士に至るまで,ほぼすべての医療従事者に対して,最先端の気道管理技術と理論を伝道する役割をもつ。経験の少ない他科の医師が気道管理技術に口をはさむ隙間は,手術中に遭遇しにくい外科的気道確保を除けば皆無と言えよう。つまり,われわれ麻酔科医のpracticeこそがすべての基本であり,ルールとなるのである。
本稿では研修医が学びたがる気管挿管,ビデオ喉頭鏡の指導を含めた注意点を述べる。ただし,麻酔科後期研修医は気道管理のプロとして将来的に膨大な経験を得ることができるので本稿では言及しない。ここでいう初心者とは,気道管理を麻酔科で学ぶが,その後は他科の医師(気道のアマチュア)になる初期研修医に限定する。
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