技術講座 生化学
個人の生理的変動幅の推定と許容誤差限界
細萱 茂実
1
,
久米 章司
2
Shigemi HOSOGAYA
1
1山梨医科大学医学部附属病院検査部
2山梨医科大学医学部臨床検査医学講座
pp.993-999
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902912
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新しい知見
臨床検査値を解釈する際の基本的な尺度は健康人における生理的変動である.一般的には健康者集団の基準範囲が用いられるが,これは個体間・個体内変動の両者を合わせた尺度と理解される.しかし,臨床的には集団中における特定個人の位置を知ることと同時に,個人内における経時的変化の観察が重要であり,その場合,個体内変動の大きさが成績解釈の基準となる.一方,生理的個体間・個体内変動に関する従来の報告値には測定誤差が含まれている例が多く,本来,その推定には分散分析法などの統計的手法を適用する必要がある.また,生理的変動幅は分析技術の許容誤差限界を定めるための基準としても用いられる.
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