今月の主題 アレルギー疾患の現況と今後の展望
総説
アレルギー疾患の疫学とメカニズム
鈴木 雅雄
1
,
程 雷
2
,
小野 直哉
1
,
山崎 暁子
1
,
毛 暁全
2
,
白川 太郎
1
Masao SUZUKI
1
,
Lei CHENG
2
,
Naoya ONO
1
,
Akiko YAMASAKI
1
,
Xiao-Quan MAO
2
,
Taro SHIRAKAWA
1
1京都大学大学院医学研究科健康要因学講座健康増進・行動学分野
2南京医科大学国際鼻アレルギーセンター疫学・分子アレルギー学部門
キーワード:
Hygiene hypothesis
,
allergy
,
Immunity and gene
Keyword:
Hygiene hypothesis
,
allergy
,
Immunity and gene
pp.700-706
発行日 2005年7月15日
Published Date 2005/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100142
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〔SUMMARY〕 近年,先進国で増加しているアレルギー疾患のメカニズムの1つにTh1/Th2バランスの不均衡が関与していることがいわてれおり,特にTh2型サイトカインが重要な役割を果たす.また,その疾患感受性遺伝子を同定することは治療や予防に有益と考えられている.このような,アレルギー疾患は多因子疾患であるため,数多くの遺伝因子と環境要因が複雑に絡み合って発症すると考えられており,これら遺伝的要因の解明は,以前は不可能と思われていた.しかし近年,高速大量タイピング法の確立により広範囲な候補領域からの絞り込みが非常に簡易になり,急速に各アレルギー疾患のSNPマップを用いた体系的症例―対照相関解析によりアレルギー疾患の原因が解明されつつある.今回はこれまで報告されてきた疫学調査を中心に解説したい.〔臨床検査 49:700-706,2005〕
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