今月の主題 採血
合併症・事故
末梢神経損傷―いかに防ぐか,発生時の対応
岡島 康友
1
Yasutomo OKAJIMA
1
1杏林大学医学部リハビリテーション医学
キーワード:
採血
,
神経損傷
,
反射性交感神経性ジストロフィー
Keyword:
採血
,
神経損傷
,
反射性交感神経性ジストロフィー
pp.299-303
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100048
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肘部からの採血では正中神経本幹,手関節では橈骨神経感覚枝に注意したい.神経の走行を念頭に静脈を目で確認する.針で皮下を探索するようなことをしなければ,神経損傷は回避できる.もし,採血時にシビレや痛みが残存すれば,ただちに専門医の診察に掛ける.採血実施者として,採血時の刺針状況,患者との会話内容,シビレや放散痛の部位を記録しておくことは必須である.経過をみて3週以上にわたって軽快しないなら神経伝導検査や針筋電図による客観的補助診断を考慮する.強い疼痛例には反射性交感神経性ジストロフィーへの進展を予防するためにも早期治療を開始する.〔臨床検査 50:299-303,2006〕
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