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特集 外科医必携 患者さんとのトラブルを防ぐためのハンドブック
各論
静脈穿刺による神経損傷について—医療訴訟リスクを軽減するための提言
Peripheral nerve damage associated with venipuncture : recommendations to mitigate medical malpractice risks
平田 仁
1
Hitoshi HIRATA
1
1名古屋大学医学部個別化医療開発学講座
キーワード:
神経損傷
,
静脈穿刺
,
難治性疼痛
,
神経周膜窓
,
複合性局所疼痛症候群
Keyword:
神経損傷
,
静脈穿刺
,
難治性疼痛
,
神経周膜窓
,
複合性局所疼痛症候群
pp.272-276
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214461
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【ポイント】
◆静脈穿刺に伴う神経損傷の頻度は低いが,医療訴訟に発展するリスクは高い.
◆静脈穿刺後に運動障害を伴う高度の麻痺を起こすことは稀であり,また,神経障害性疼痛様の痛みも半年程度で改善するケースが多い.
◆正中神経など主要な神経が損傷されたと判断されるケースでは医療機関が敗訴する可能性が高い.
◆静脈穿刺を引き金にCRPSを発症する事例は存在する.ただし,CRPSの予後は従来恐れられたほど悪くはなく,痛みを含む諸症状が1年以内に改善する例も多い.
◆訴訟リスクを回避するためにも超音波画像診断装置の積極的な活用が勧められる.
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