特集 外来のあり方を問う—大病院志向の流れは変えられるか
紹介外来のみの診療を頑に守り続けて—開放型病院の立場から
富永 忠弘
1
1(財)仙台市医療センター・仙台オープン病院
pp.302-305
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903803
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はじめに
当仙台オープン病院は行政である仙台市と仙台市医師会との協力になる(財)仙台市医療センターが経営するいわゆる公設民営型病院で仙台市医師会病院に相当する.1976年2月診療を開始して今年で17年目を迎えた.1978年3月健康保険法の開放型病院の承認を受け,開院以来外来は仙台市医師会々員中の登録医を主とし,近隣医師会を含む他医療機関からの紹介患者のみに限定し,一般外来は行わない方針を貫き現在に至っている.
この間,1986年に他医療機関紹介の2次・高次救急患者を主たる対象とする救急センターを併設し,1989年4月からは365日完全24時間体制に移行させている.2次以上を主眼とはするものの,最近の家庭医を持たない市民層の増加で,夜間・休日には紹介のない1次救急(急病)の患者も来院し,これらへの対応も人道上拒むことは出来ない.この救急直接来院者は非紹介患者であるから,広い意味での一般外来に相当することになる.
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