Japanese
English
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陰股部頑癬に見られた重複感染について
TINEA CRURIS DUE TO MULTIPLE INFECTION WITH TRICHOPHYTON RUBRUM AND EPIDERMOPHYTON FLOCCOSUM
高橋 伸也
1
Shinya TAKAHASHI
1
1東北大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine,Tohoku University
pp.456-460
発行日 1959年5月1日
Published Date 1959/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202546
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緒言
1個体の皮膚及び其の附属器官に於ける2種或は其以上の皮膚糸状菌の感染例──現在multi-ple fungous infectionと総称せられているもの──は欧米では可成り報告されているが,本邦に於てはその報告は極めて少なく,此の問題に関しては等閑視されているのが現状である。其理由としては,皮膚糸状菌症では,かかる症例が比較的稀少であると云う事にも起因していようが,然し乍ら,私はその最大の原因がかかる感染例の存在の不認識に基く真菌学的検索の不徹底がその発見を不可能ならしめているのではないかと推測するものである。
私は,2例の陰股部の頑癬(湿疹様白癬)から,何れも猩紅色菌,表皮菌の2菌種を分離同定した興味ある症例を経験したので茲に報告する次第である。
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