看護管理の目・3
ターミナルケアと看護体制
川嶋 みどり
pp.248-249
発行日 1992年3月1日
Published Date 1992/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903744
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一般病棟ではできにくいターミナルケア
ターミナルケアの重要性が認識され始め,緩和ケアが診療報酬上に認められるようになった.看護婦たちの関心もきわめて強い.だが,実際に一般病棟でターミナル患者のケアを実施できるかというと極めて心細い限りである.第1に,体制上の問題がある.現在の基準看護体制では不可能に近いといってもよい.重症看護加算とひきかえに生まれたともいえる特三類の場合の,ベッド数対看護婦の比率が2:1であっても,到底ターミナルケアは覚束ない.
なぜなら,1看護単位約50名の患者に対して,20数名の看護婦が配置されている場合,日勤看護婦が8〜9名もいれば恵まれた状況である.重症者や高看護度患者の世話に加えて,昨今の医療行為の複雑さは,看護婦の動きを片時も止めない程の過密な様相を生み出している.ターミナル患者への精神・心理面のケアを初め,家族への支援まで,到底行き届かないのは当然であるともいえよう.
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