勤務医からの発言
ホスピスの現場から
恒藤 暁
1
Satoru TSUNETO
1
1淀川キリスト教病院ホスピス
pp.1085
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903727
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セント・クリストファー・ホスピスが1967年にイギリスのロンドン郊外に設立されたのが近代的ホスピスの始まりとされる.それ以後,ホスピス運動はイギリスやアメリカをはじめ世界各国で普及し高まっている.日本では1970年代にホスピスが紹介され,その必要性が言われ始めた.わが国で第1号の院内独立型ホスピスが,聖隷三方原病院に1981年に誕生した.続いて1984年,淀川キリスト教病院において院内病棟型ホスピスが設立された.それ以降,医療従事者のみならず一般の人々もターミナルケアに高い関心を示すようになってきた.
こうした状況の中,厚生省が1990年4月に「緩和ケア病棟入院料」を新設し,国としてホスピスや緩和病棟を経済的に援助してターミナルケアの充実を図ろうとしている.ホスピスの現場で働く者として,今後のわが国におけるターミナルケアの発展を願って発言させていただく.
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