病院管理トピックス
[薬剤]TDMシステムとその実際/[放射線]放射線部門の運営を技師の手に/[外来運営]外来運営のシステム化
吉岡 優子
1
Yuko YOSHIOKA
1
1日本医科大学附属多摩永山病院薬剤部
pp.712-716
発行日 1991年8月1日
Published Date 1991/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903691
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TDM (薬物治療モニタリング)を薬物血中濃度測定と同義に考えている医療関係者はまだ多い.しかし,TDMは元来,誰に対しても画一的に薬物療法を適用することへの疑問から発生したもので,いかに個別化された薬物療法を適切に行っていくかを志向しているものなのである.
TDMには薬物血中濃度測定を伴うものと,伴わないものがある.例えば,血中濃度測定は行わなくても,糖尿病患者に対してインシュリンの量を決定する際や,癌に代表されるような疼痛に対する薬物療法,あるいはステロイド剤の離脱,催眠剤の決定などに際して薬剤師が薬物療法をモニターすると,その効果は高い.実際に米国では,高血圧や狭心症の治療に薬剤師が加わって,薬物療法をモニターすると,安全性,有効性のほか,経済的にも有意義なことが既に証明されている.
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