特集 病院とお金の深い関係
病院から出ていくお金の最小化
病院の設備投資の最適化
関 丈太郎
1
1アイテック株式会社
キーワード:
ライフサイクルコスト
,
イニシャルコスト
,
ランニングコスト
,
官民連携
,
経営形態
,
整備方式
Keyword:
ライフサイクルコスト
,
イニシャルコスト
,
ランニングコスト
,
官民連携
,
経営形態
,
整備方式
pp.976-979
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211556
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■病院のライフサイクルコスト
病院の新築や大規模な増改築は,30〜40年に一度という事業である.本稿では,こうした自院にとっても,地域にとっても将来を決めることとなる「病院整備事業」について,ライフサイクルコストの観点から,イニシャルコストとランニングコスト双方の適正化に向けた概観的なトレンドや課題などを整理したい.さらに,病院のライフサイクルコストに大きく影響する官民連携による経営形態の多様化と,それに伴う整備方式についても言及する.
一般的に地域の中核病院など,規模の大きな病院を開院するまでには,調査,構想段階から数えて約5年を要する.この開院までの費用がイニシャルコストで,ここにはコンサルタント費,設計費,建設費,医療機器導入費,ICT導入費などが含まれる.一方,ランニングコストには,開院後30年以上にわたる医師や医療従事者などの「人件費」,医薬品,医療材料などの「材料費」,委託費,光熱水費,維持管理費などの「経費」,建築,設備や医療機器などの「減価償却費」などが含まれる.
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