中小規模病院の運営
医療の進歩とこれからの設備投資
森重 福美
1
1医療法人太刀洗病院
pp.819-822
発行日 1982年9月1日
Published Date 1982/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207841
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医療の進歩に伴って,中小病院と大学や大病院との医療格差がますます拡大する傾向にあるが,しかし反面においてむしろ逆の現象もみられるのである.特に,単科の中小病院ではその専門性をうたいつつ,徐々にその診療内容を充実させ,病院装備の向上やシステムが,大病院に比べて遜色のない施設が少なくない.
中小病院の運営は最近にわかに難しくなりつつあるように感じるのであるが,私どものような民間の施設の多くは,今までにも絶えず危機に遭いながら,現在に至っているのである.私どもの施設に遭いて言えば,結核症の収容施設不足の時代に病院を開設し,10年経過しないうちに患者の減少が予想されたので,一般病床の施設を都市に求めんとしたところ,地元医師会の猛反対を受けた.これは当法人存続にかかわることであったので強行したが,その後13年間地元医師会と対立することになる.かつて,結核療養所として最初にスタートした太刀洗病院を2年前増改築したので,この二つの法人施設の運営を総合しながら,太刀洗病院のことに触れてみたい.与えられたテーマは「設備投資をどう行うか」であるので,これを中心に述べてみよう.
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