連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第93回
民間病院の増築
財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院—医療環境の変化と地域ニーズに即応した高機能病院/医療法人近森会近森リハビリテーション病院・近森病院第二分院—質的向上に向けてたゆまぬ病院のリニューアル
太田 健三
1
,
深瀬 啓智
2
,
川添 曻
1財団法人太田綜合病院
2株式会社蔵王建築設計事務所
pp.596-603
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903576
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増改築の四半世紀
太田西ノ内病院は福島県の中央部,人口約33万人の郡山市にある.3病院1老人保健施設,総病床数1,852床,職員数2,348名を有し,ネットワークによる保健医療福祉を提供する財団法人太田綜合病院の附属病院の一つであり,高度・救急医療を担うとともに臨床研修病院でもある.
1975年に旧さがの病院とささはら病院を西ノ内(現在の市道の南側敷地)に移転して精神神経科と内科の病院としてスタート,1981年に糖尿病を主とした内科系を充実するために増築して500床の規模の病院となった.さらに1989年,旧本院(現太田記念病院)より救命救急センター・臨床研修病院など,多くの機能を西ノ内(市道を挟む北側の敷地)に移転・増床して計1,000床の総合病院・太田西ノ内病院となり,郡山市を中心とする福島県中地区の中核医療施設としての役割を担ってきた.それから10年余りが経過し,この間,県より「地域災害医療センター」,「エイズ拠点病院」の指定を受けるとともに,ますます増加する救急医療など,医療需要の質と量の変化,変革の激しい医療制度に対応すべく計画されたのが今回の第4期整備計画である.増築工事では,既存の病棟再編による130床の移動と,磐梯熱海にあった附属玉川分院100床の法人内移転による230床を含む増改築で,今年3月末に完成し,西ノ内病院全体で1,100床の規模となった.
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