IT革命は病院医療をどう変えるか・6
電子カルテシステムを内包するペーパーレス統合情報システム(SHIMANE-IIMS)(2)—運用の実際とそのメリット,デメリット,将来
清水 史郎
1
,
沖 一
2
,
平田 彰業
3
,
瀬戸山 元一
4
,
中川 正久
1
1島根県立中央病院
2島根県立中央病院事務局
3島根県立中央病院医療局
4高知市病院細合
pp.638-640
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903329
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社会のあらゆる分野で進行しているIT (情報技術)化の一方で,医療分野におけるIT化への取り組みは遅れている.総合病院あるいは大学病院においても,紙のカルテが使用され,判読不明の文字が記載されたり,判読困難な文字で指示が伝達され,指示伝票,レポートが書かれる.カルテや診療諸記録は日々検索,搬送,整理,保管を要する.病院によっては各科ごとにカルテがあり,各科ごとにレントゲンフィルムを保管するという施設すらある.情報の整合性は保てず,一人の患者に同じ薬が別々のところから投薬されたり,相矛盾する医療行為すら行われかねない.問題点はどこにあるのか.一人の患者を病院として把握し,診断し,治療するという病院医療の原点の問題である.少なくとも理念を同じくする一つの組織においては情報は共有化,一元化されていなければならない.電子カルテはそのためのツールである.紙文化はその簡便さゆえに,人類社会に定着してきた.しかし,手書きの原稿作成がワープロ機能に一新されたように,医療における紙使用も見直しの必要な時代である.本誌前号に続き,本稿ではSHIMANE (System of Hospitals for Integrated Management & Admin—istration by Network Environ—ment)—IIMS (lntegrated Intelligent Management System)運用の実際,メリット,デメリット,その課題・将来について記載する.
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