特集 チェーンホスピタルとは
チェーン化のメリット・デメリット
安永 貞雄
1
1戸田中央組合総合病院分院第一病院
pp.829-831
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206979
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昭和53年7月医療法人徳洲会が,年中無休,24時間オープンをスローガンにマスコミに登場して以来1か年が経過した.この期間に医療界に投じた一石は,みるみるうちに拡がりをみせ,地域の医師会や住民まで巻込んで一大反響を呼び,テレビで20数回,月刊・週刊紙を合わせて50数回取上げられ,単行本も10指に余りあるものが既に発売されている.私もこの世界30数年になるが,一つの病院でその病院組織について,これほど大きな反響を経験したことがない.
徳洲会がこれほどまでに騒がれるのは,医療過疎地域に病院開設とか,我が国の医療制度改革の変容とか,理由はいろいろあるだろう.しかしなんといっても,年中無休24時間診療宣言であろう.現在救急医療機関は全国約5,000近くあるが,このうち約3,000が私的医療機関で占められている.この3,000の私的医療機関は,医師や看護婦の不足と,救急医療の不採算性により,救急指定返上というところも出ているのが現状である.一方住民は,急患発生時における十分なる医療供給体制を望んでいるわけであるから徳洲会のスローガンに共鳴するのである.もう一つは徳洲会の進出に対する阻止行動のやり方が住民の反発を買ったことである.最近の例では茅が崎の件があったが,これなどはマスコミが大きく取上げて,その一部始終が詳細に報道されているのでご承知のことであろう.
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