連載 「ケア」の関係性が変わる・5
サービスの「提供者—利用者」関係を改めて見直す—専門的対人援助サービス業としての保健・医療・福祉サービス
本多 勇
1
1国際医療福祉大学医療福祉部医療福祉学科
pp.466-470
発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903286
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筆者は,今回の「ケアの関係性が変わる」シリーズでは,戦後の社会福祉の制度や政策の流れを簡単に概観しながら,そのなかで利用者をどのような立場の者としてとらえ,これからの介護保険時代における新しい保健・医療・福祉サービスのなかで,利用者(患者)をどうとらえてサービスを提供していくかを論じるつもりであった.しかし,原稿作成中,舌がんが見つかり,急遽入院および手術をすることとなってしまった.本連載コーディネータの島津望助教授や加藤尚子講師,西口守講師にご配慮いただき,筆者は5回目を担当させていただくことになった.
奇しくも筆者は約2か月間,病院において入院患者として入院生活を送ることとなった.病院という医療機関の中で療養生活・集団生活で,感じたこと考えたことを中心にしながら,筆者の研究領域である社会福祉・高齢者福祉の領域における変化も念頭におきつつ,この論考を書き進めることとしたい.入院生活ではいろいろな示唆を得ることができた.もちろん患者として入院し治療を受けリハビリテーションをしたわけだが,「病」の体験,「入院患者」役割,集団生活,医療者—患者関係など改めて多くの研究課題を見つめ直す時間にもなった.本稿の書き始めも入院中であった.病院という場で,雑誌「病院」の原稿を書く,という妙にリアルな体験をすることができた.
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