IT革命は病院医療をどう変えるか・4
介護サービスを円滑に進めるための情報の共有化とTV電話の活用
折茂 賢一郎
1
,
黛 輝雄
2
1六合温泉医療センター
2六合在宅介護支援センター
pp.448-451
発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903282
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
介護保険制度が開始されてはや1年余が経過した.本制度下でのサービスを円滑に進めるためには,これにかかわるすべての職域が意思疎通を十分に取ることができることである.ケアプラン(介護サービス計画)の作成でも,また,サービスの提供状況の確認においてもケアマネジャー(介護支援専門員)を中心とした情報の共有化は必須事項である.しかし,サービス提供事業者も日常業務に追われ,介護支援事業者も各ケアマネジャーごとに50人にも及ぶケアプランの作成とモニタリングに終始する日々であれば,これらの職種を一堂に集めてのケア会議(サービス担当者会議)を行うことは容易ではない.
今回,面積は広いがほぼ閉鎖された地域社会である六合村において,介護支援事業者である六合村在宅介護支援センターを拠点とし,村内の福祉・保健の中枢である役場(六合村保健センター)と,サービス提供事業者である六合村社会福祉協議会や六合村診療所,六合村老人保健施設「つつじ荘」とを,ISDN回線を用いたTV電話システムで結び,さらに事業者間の情報伝達や文字での会議を行うためのグループウェアソフトを利用したパソコンのネットワークを構築した.さらにKuni—Careという介護にかかわる情報共有のソフトを開発し,利用者の個人情報のデータベース化を図り,クローズドのネットワークにおいて各パソコンからいつでもどこからも供覧できるようなシステムを開発し実施してきた.本稿では地域包括ケアの現場におけるマルチメディアの利用の実際1,2)と今後の展望について報告する.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.