Principle 病院経営・23
病診連携の枠組み(4)
谷田 一久
1
1広島国際大学医療福祉学部医療経営学科
pp.978-979
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903135
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連携スキームの本当の基盤
都会では,専門性を前面に押し出した医療機関と高機能の医療機関との連携の仕組みができつつあるように思えるが,この現象は,決して行政の意図する政策の効果として現れたものではないように思える.そうではなくて,情報や選択肢を豊富に有し,加えてニーズの多様化した都市住民の厳しい選択の眼に耐えられるよう医療機関が生き残りをかけて自発的に選択した結果である.
筆者の日頃のコンサルテイング活動や研究活動から経験的に知り得たところであるが,医療機関同士の連携を進めるということは,患者が自らの意志で医療機関を移動するものであり,そこには医師と患者の強い信頼関係が存在し,さらに患者を送る側の医師と患者を受ける側の医師との間にも強い信頼関係が必要条件として存在していなければならない.さらにいうと,医師と医師の間の信頼関係も,単に同業者,同窓,趣味仲間などといったことでは足らず,プロフェッショナルとして双方の技量を認識しあったうえでの信頼関係でなければならないようである.
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