連載 院内感染対策・9
病院感染対策のコンセプトとNTT西日本東海病院での取り組み
大久保 憲
1
1NTT西日本東海病院外科部
pp.346-350
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902979
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
病院感染防止の基本は,患者の人権の尊重はもちろんであるが,臨床的もしくは実験的あるいは疫学的な裏付けのある科学的根拠(evidence based medicine)に基づいた感染対策で,かつ経済的にも有効な方法でなくてはならない.非科学的で誤った過剰な予防策の実施は,期待される感染防止効果が出ないばかりか,患者や医療従事者に対して有害となり,経済的にも不合理なものとなる.
今日までのわが国における病院感染対策の実情は,過剰防衛的なところがあり,例えばメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染患者の画一的な個室隔離法や退室後の病室の消毒,ガウンテクニック,スリッパの履き替え,病室入口の粘着マットや薬液マットの設置,高水準消毒薬(グルタラール)の散布や噴霧およびホルマリン燻蒸などがあげられる.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.