病院ボランティアの提案—東札幌病院・3
共に過ごす・3
斉藤 悦子
1
,
石垣 靖子
2
1東札幌病院
2東札幌病院看護部
pp.859
発行日 1999年9月1日
Published Date 1999/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902803
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病院の長い夜—ナイトシアターは最も小さな映画館
当院のボランティア活動に,大学生や仕事を持った人の参加が増えてきたのは平成8年頃からである.彼らの活動は必然的に夜間が中心となり,当初は夕暮れの人恋しくなる頃に患者の傍らにいて大きな慰めを運んでいた.その中で病院の長い夜に気づいた彼らはビデオ上映会を企画し,この会はナイトシアターとして4年目を迎えている.
最初はテレビ画面を使用していたが,多人数で見るには画面に制限があり迫力にも欠けるため,ビデオプロジェクターに切り替え,現在に至っている.今や月2回のナイトシアターは患者たちにとって夕食後のかけがえのない交流と娯楽の場になっており,時には家族や面会者とともに涙や笑いを共有している.担当のボランティアにとっては作品選びが悩みどころだが,参加した患者に希望を聞いたり,反応をみながら選択しているようだ.洋画では人生ドラマのようなものや,ストーリーが明確なハリウッド的エンターテイメント,邦画では寅さんのような人間味溢れるものが好評だという.
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