民間精神病院はいま—21世紀への展開・18
野添病院—21世紀の「地域に開かれた精神医療」をめざして
堀川 公平
1
1医療法人堀川公平会野添病院
pp.784-789
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902785
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当院は創立以来,本年の8月で35年を迎える.1994年8月,買収により理事長となって以来,「安定した経営基盤作り」と「地域に開かれた精神医療」の展開を目指し,今日まで努力してきた(表1,2).その結果は,この4年余で平均在院日数は当初の2,156日から161日となり,平均在院期間も12.5年から3.7年と劇的に減少した(図1).ここにきて,ようやく「病院」と呼ぶにふさわしい精神医療が提供できるようになったと思う.また,経営的には入退院が激増した分,リスクも増え,とても「安定」したとはいえぬが,医療費改正により,長期入院患者に依存した「収容所的経営」から,現在は外来(狭義)だけでなく部分入院部門(デイケア,デイ・ナイトケア,ナイトケア)や訪問看護を駆使した長期入院患者の退院促進と精神科急性期治療病棟(60床)による短期入院医療中心の,いうなれば本来の「医療的経営」へと体質を変えることができたように思う(図2).
そこで,当院の展開する精神医療およびそれを支える治療システム,治療ソフト,ハードそして教育研修システムを述べ,特徴を明らかにしたい.
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