特集 病院組織と意思決定—コーポレイトガバナンスとは何か
当院では組織と意思決定をこうしている—理念への実践
津留 水城
1
1医療法人宗像水光会総合病院
pp.233-235
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902645
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高齢社会の進展と経済のマイナス成長期を迎え,わが国の社会構造は大きな転換期に直面している.病院は,高度成長期における医療費の大幅アップの時代とは異なり,2000年4月に導入される介護保険も含めて厚生省が次々と打ち出す低医療費政策に,今後どう対応していくのか,その対策に戸惑っている.
病院は基本的に非営利的組織として位置づけられながら,一般の営利企業と同じく採算性を無視してはもはや存続しえない.この矛盾の中で,さらに国・公立病院が政策医療の名の下にその採算性を国・自治体の助成に委ねられるのに対し,民間病院は自給自足で経営の安定化を図らねばならない.しかも,医の倫理の下に人の健康と生命を守る使命感は常に要求される.こうした中で経営管理者は病院職員に対しても,プライドと意欲を与え,生きがいを感じさせる組織作りが必要とされる.
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