特集 医療法人の今後
医療法人における承継について
内藤 聰
pp.414-417
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902401
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私的な医療施設における事業承継は大きく二つに分類される.一つは事業規模が比較的に小さいので,法人化されていても同族により持ち分を定めた出資形態が大半を占めていることから,家族または縁戚筋といった同族による承継が一般的である.親子関係以外の縁戚による承継も考えられるが,娘婿や養子縁組はあってもその他の承継は相談されたことすらない.
それに対して親族に適当な承継者がいない場合は,第三者による承継の選択がある.一般企業であれば組織内部の昇格によって経営を引き継ぐ形がみられるが,私的な医療施設においては皆無といってよいほど遭遇したことがない.経営を存続させ発展させてゆくために,安全性の高い内部昇格を何度か提案したこともあるが実現したことはない.
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