特集 民間病院の承継はどうなる
承継について私はこう考える
岡山 清
1
,
竹本 範彦
2
,
中西 泉
3
Kiyoshi OKAYAMA
1
,
Norihiko TAKEMOTO
2
,
Izumi NAKANISHI
3
1九州記念病院
2竹本病院
3町谷原病院
pp.992-996
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900224
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病院承継に魅力を持たせよ
我が国の医療の現状
医療費抑制に名を借りた良質な医療という錦の御旗のもとに,民間病院の縮小政策は,月日を経るにつれて類型別の機能分類という姿でその全貌が次第に見えて来た感じだ.第二次医療法が去る6月17日の国会で通過したので,霧の中の実態がこの秋頃から明らかになるであろう.真っ先に手をつけられるのが,老人特例許可外病院の特別重点指導であり,ペナルティーを科せられた病院は数カ月足らずで閉鎖を余儀なくされるかも知れない.一般病院も基準看護を持たないところや低いところは,何らかの変身を遂げない限り,経済的な誘導によって経営を維持して行くことは早晩不可能になる.そして現在厚生省の意図する変革は,これから先,そのスピードが益々加速されるであろうと思われる.
また一方では当局の望む医療費の総枠を決めるための壮大な実験がなされているようである.特にこの4月の改定はそれを如実に物語っている.厚生省には申し訳なく乱暴な言い方かも知れないが,診療側の意向も約束もほとんど無視され,ちょうど適当な餅の大きさを造るために延ばしたり,縮めたり,一部をちょん切ったり,くっつけたりしているのと同様に見える.
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