特集 医療法人の今後
医療法人制度を検証する
医療法改正と医療法人
石井 暎禧
1
1医療法人財団石心会
pp.418
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902402
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医療法人は,医療機関を経営する種々の法人の中にあって,税法上極めて中途半端な性格を持っている.営利法人でもなく公益法人でもない,中間法人といわれるように,その法人形態は矛盾に満ちたものである.これは税法の問題だけではなく,わが国における医療のあり方にも関係する本質的な問題(公益性と収益性)をはらんでいる.医療法人は,医療法を根拠法とする法人形態としては唯一のものであり,医療組織の基本形態とさえいえる.わが国の医療が公共性と企業性のはざまで惑う姿を,そのまま法人制度化したといえる.
今回の医療法改正において,第2種の社会事業が可能になったことと特別医療法人の制度が創設されたという2点のみが変化である.
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