特集 新時代の病院組織
変化に即応し得る病院の組織変革の試み
瀬戸山 元一
1
1島根県立中央病院
pp.28-35
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902303
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現代医療は多様化かつ複雑化し,高度化していることは周知の事実である.と同時に,情報化の波はますます高くなり,インターネットの出現などにより,国家間や地域間のみに限定されていた価値観の衝突にとどまらず,組織あるいは個々の価値観の衝突に拍車をかけることになった.病院の医療機能(図1)だけをみても,その一つひとつについて,医療の質の観点から多種多様の価値観が存在していると考えなければならない.
また1998年4月には,医療改革のもとに大幅な診療報酬制度の変革も想定され,現状以上に病院経営は厳しくなることは確実視されている.そのような状況のなかで,社会環境変化に適応し「病院は,いま何をしなくてはならないのか」について,もう一度,基本に返って考え直す必要がある.その地域性あるいは自分たちの置かれている立場などについて十分に考慮し,全体の協調のなかで自由競争原理を導入し,お互いの創意工夫のもとに切磋琢磨することしか方法はないのではないかと思われる.病院淘汰という問題は,一般的にいわれていないにしろ,自然淘汰どころか積極的に淘汰される時代は既に到来しているといっても過言ではない.
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