特別寄稿
病院管理学から病院経営学へ—情報と内部組織の経済学はマネジドケア革命をどうみるか・2
髙原 亮治
1,2
1医療経済学専攻
2前:厚生省国立病院部経営指導課
pp.857-862
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902216
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医療における情報の非対称性と不確実性
従来,医療経済学では,医療という領域が通常の競争市場論やその前提となる完全情報市場とどのように異なっているかの解明が行われてきた.その帰結として,医療においては患者と医療提供者の間に著しい情報の非対称性があることなどが解明されてきた.また,医療行為の地域的変異(スタンダードな治療方法がないこと)などが解明されてきた.(注12)
さらに近年進展の著しい不完全情報の経済学の適用により,より精密な分析が可能となってきている(注2,8号731頁参照).とくに米国のような医師と病院が区分されており,保険者を選択できるシステムを前提とすると,次のことがいい得る.
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