特集 病院におけるマルチメディア
マルチメディアによるネットワーク化—妊婦の在宅管理
名取 道也
1
,
北川 道弘
2
1国立大蔵病院臨床研究部
2国立大蔵病院産婦人科
pp.238-239
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902053
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20世紀末を迎えるに当たり,高齢化に次いで少産,少子が社会のキーワードになっている.ここ数年合計特殊出生率は1.5以下となり,この原因としては女性の晩婚化や社会進出などの問題が挙げられ議論を呼んでいる.このような社会情勢の中で,医療に関する問題は介護との関係,医療費の削減,効率的運用,患者のアメニティなどが検討するべき項目として挙げられているが,一方医療の高度化とそれに伴う医療資源の大都市への集中,専門医の持っている医療技術や知識などの集中(地域格差)も考慮するべき問題として挙げられている.
これらの問題点の解決の一つの方法として,電子的情報伝達手段の進歩を踏まえた在宅医療が検討されている.現在,在宅医療の対象として考えられている分野は,老人医療など長期にわたる医療の対象者もしくは介護的医療の対象者である.しかしわれわれは在宅医療の対象として妊婦にもそのニードがあるのではないかと考え,最近妊婦の定期検診を自宅で行うことについて試行を開始した.なおこのトライアルは1996年電源地域遠隔医療コンサルティングに関する調査事業の一環として財団法人ハイビジョン普及支援センターの事業として行われているものである.
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