医療の質の評価と改善 組織・運営・戦略におけるトータル・クォリティー・2
医療のプロセスへのアプローチ—ケア・マップをめぐって
今中 雄一
1
1九州大学大学院医学系研究科医療システム学教室
pp.892-895
発行日 1996年9月1日
Published Date 1996/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901921
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医療プロセスのモデル化の背景
社会的にも医療プロフェションの間でも,医療の質と効率の体系だった向上がいっそう求められ,医療の判断・実践の過程の情報の開示がますます重要となってきている.今,医療の提供プロセスについて,1)そのプロセスを見やすく表示すること,さらに表示のフォーマットを標準化して,2)施設問・症例間での比較・参照を容易にすること,3)臨床研究の最新の知見やベスト・プラクティス,学会など専門家集団が認知する臨床行為ガイドラインの参照を促すこと,ならびに4)診療の無用なばらつきをなくして標準化し,診療の質を保証し向上させることは,非常に困難でありながらも,極めて強く望まれるところである.本論は,以上の課題に関して,診療プロセスのモデル化における「ケア・マップ」という一表現形の有効性と現実性について述べる.
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