特集 待ち時間解消はどこまでできるか
病院の待ちの実態—タイムスタディによる外来診療における待ち時間の分析
久保 喜子
1
1日本大学医学部医療管理学教室
pp.731-733
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901876
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はじめに
「3時間待って3分診療」.大病院の外来診療を表してよく聞かれる言葉である.実際,待ち時間の問題はどの病院にとっても大きな課題である1,2).国民医療総合対策本部の「中間報告」3)で,大学病院などにおける外来診療の在り方の見直しとして紹介外来制の検討が打ち出されて以降,今日,大学病院は高度の医療を提供する役割を担う特定機能病院として,周辺地域の医療機関からの紹介患者を受け入れる必要があり,また,紹介を受けた患者の満足と安心を高めるための配慮もなされなければならない4).
しかし,一般的に大規模病院の外来は患者の大病院志向ということも手伝って,紹介状の有無にかかわらず非常に長い待ち時間を強いられているのが現状で,日本大学板橋病院でも現在改めて問題となっているところである.
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