特集 大学病院と関連病院との関係を問う
これからの医師の確保と大学病院
大学人と病院人との認識の差を問う
伊賀 六一
1
1東京都済生会中央病院
pp.125-127
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901718
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はじめに
我が国の病院が発展する過程で病院運営の核となる医師の人事について病院が関連する特定の大学への依存度はかなり高い.「関連病院」という言葉が定着している所以である.それが効果的に作用する場合は幸いであるが,逆の場合には病院の荒廃に関わる結果を招くこともしばしばである.
特に今日の医学・医療の転換期に当たり,病院医療の質,言い換えれば,それを支えている医師の質が即,病院運営を左右し危機に繋がることもあり,背景に大学人と病院人との認識の差が要因の一つとなることも否めない.その意味で,今日の大学と病院との人事の在り方を基本的に見直し,将来への足がかりとすることは大学や病院にとってはもちろん医師一人一人の将来にとっても重要と考える.
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