特集 問われる病院と地域の保健活動
[事例紹介]病院の予防活動
骨ドック
山門 実
1
1社会福祉法人三井記念病院総合健診センター
pp.1151-1153
発行日 1995年12月1日
Published Date 1995/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901677
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はじめに
人間ドックの目的は,悪性腫瘍(癌)の早期発見とともに脳血管障害(脳梗塞,脳出血),心血管障害(狭心症,心筋梗塞)などの成人病の発症の予知,すなわちそれぞれの疾患の危険因子の同定にあるが,さらにはこれらの危険因子の管理,ことに生活習贋を改善させることにより成人病の発症を防止することにある.
骨粗霧症は,加齢とともにその発産率は増加し,西歴2000年までにはその患者数は500万人以上になるものと推定されている(表1)1).そしてこの骨粗霧症は大腿骨頸部をはじめとする骨折により,脳血管障害とともに「寝たきり」となり,いわゆる国民の生活の質“Quality of life”を低下させ,時には生命予後にも影響を与える重要な成人病の一つである.したがってその早期の診断,あるいはスクリーニングは早期の治療にもつながることから社会的課題となっている.したがって「骨ドック」はこの社会的課題を解決する一手段と考えられる.
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