グラフ
医療法人静和会浅井病院にみる精神科医療の新しい波
pp.113-118
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901433
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21世紀に向けて医療システムが大きく動いているなかで,精神科領域も変革の真っ直中にある.精神衛生法から精神保健法への改正では精神障害者の人権と社会復帰が主題となり,医療法改正では一般病院と同様に精神病院における機能分化が検討されつつある.さらに,1993年12月には障害者の社会参加・自立生活の援助を骨子に障害者福祉の充実をうたった「障害者基本法」が成立したが,そこでは,その対象者に身体障害者,精神薄弱者と並んで精神障害者が明記された.これを受けて近々改正される精神保健法では,従来の法律に欠けていた福祉的な視点を盛り込むべく,その名称も「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」と改められることを前提に改正作業が進められているという.
「精神衛生法」から「精神保健法」を経て,いま「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」へと変わろうとしているこの7年間のめまぐるしい変化は,いうなれば,守られるべき患者の人権を国の責任として明らかにし,医療機関における処遇改善と,社会においては,ノーマライゼーションを目指すものである.このような動きにひと際敏感に反応し,むしろ時代を先取りする形で医療を展開してきたのが浅井病院である.
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