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超優良自治体病院,小牧市民病院の経営を支えているもの
本誌編集室
pp.1139-1141
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901399
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愛知県下最低の公立病院が今では超優良病院に
病院経営の危機が叫ばれて久しい.平成4年度の調査では,自治体病院の6割強が赤字を計上,累積赤字は6,900億円にのぼるといった惨憺たる有り様.これまで健全経営のお手本のように言われてきた優良自治体病院の中からも,歯がこぼれていくように赤字に転落する病院が増えてきた.そんな中にあってひときわ目をひくのが小牧市民病院の健闘ぶりである.
愛知県小牧市にある小牧市民病院が発足したのは1963年(昭和38年).愛知県厚生連の病院を買収し,一般101床,結核74床,伝染23床でスタートしている.その後1981年(昭和56年)に名古屋大学から,当時第2外科の助教授だった余語弘氏が院長として着任してくるまでは,一般病床をほぼ倍に増床したほか,結核病床を廃止,数科の増設はあったもののこれといった特色のない病院だった.むしろ悪名のほうは轟いていたようで,80年まで過去10年間連続赤字,人件費比率67%,病院あげてのサボタージュが横行し市がお荷物扱いする極めつきの不採算病院で,余語院長の言葉を借りると「医療面,経営面では愛知県下最低の公立病院と言われていた」そうである.
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