シリーズ・病院経営 健全経営への道
優良自治体立病院として表彰されて—市立三笠総合病院の運営経験から
伊深 清次
1
Seiji IBUKA
1
1市立三笠総合病院
pp.1061-1065
発行日 1987年12月1日
Published Date 1987/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209201
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はじめに
「親方日の丸」などと陰口を叩かれることもあるが,市町村立病院などのいわゆる自治体立病院は公営企業として独立採算が建て前となっている.不採算医療や救急医療,更には自治体が行う社会医療活動をも行いながらの健全経営は誠に困難な状況下にあり,一般会計からの繰り入れ金を受けて,辛うじて収支のバランスを保っているのが実情である.
このような中で,自治体立病院の赤字解消に向けての努力と地域医療への貢献度を評価し,更に奮起を促す意味もあってのことと思うが,昭和61年11月,当市立三笠総合病院が全国6病院の一つとして初の自治大臣表彰を受けた.特に外部に自慢できるほど整備の行き届いた立派な大病院でもなければ,経営収支ばかりを気にしたイジケた医療を行っている病院でもないが,これを機に,病院を取り巻く環境や病院の経営の実態を披露して御批判を仰ぐとともに,現在の医療行政に対しても若干の私見を述べてみたい.
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