現代病院長論
国立病院改革の軌跡(2)—国立津病院での経験から(後篇)
岡崎 通
1,2
1国立津病院
2特定医療法人富田浜病院
pp.1129-1135
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医薬分業
医薬分業のメリット
私は4〜5年前に100%の医薬分業をやりたいと上局に当たってみましたが,当時は反応はなく,まだ機は熟していませんでした.平成4年3月に直接,本省に当たりましたところ,「1つ考えてみましょう.国立病院の分業モデル病院37の院外処方箋の発行率は平成3年度は平均12.6%に過ぎず,困っていた.院長からの申し出は大変貴重です」ということで,許可が得られたのは10月でした.
すでに昭和54年秋から一部の分業は始めていました.外来の待合室の混雑がはげしい,患者の待ち時間が長い,調剤数に比して薬剤師の定員が少なく,医療監視で指摘を受ける,薬剤購入予算が十分でない,等を少しでも緩和できればという理由で,予算に応じて25〜30%の院外処方箋を発行してきました.調剤は病院のすぐ傍に設立された三重県薬剤師会の経営する薬局で,点分業の形で行われてきました.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.