特集 「病院死」を考える
がん死患者の家族は病院での死をどうとらえているか—『働き盛りのがん死』から
松榮 達朗
1
1厚生省大臣官房統計情報部人口動態統計課
pp.1117-1121
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901395
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はじめに
我が国の人口動態統計は,出生・死亡・死産・婚姻および離婚の5事象を対象としており,国民の人口動向,健康状態などを写し出す鏡としての使命を持っている.この人口動態統計について,社会経済面からより詳細に分析することを目的に,「人口動態社会経済面調査」がその時々の行政ニーズに合せて毎年テーマを変えて実施されている.平成4年度は「悪性新生物(がん)」をテーマとして,40歳から64歳までで「がん」で亡くなった方々の家族を対象に調査を行った.
「がん」は,昭和56年以来今日まで我が国の死亡原因の第1位を占め,平成4年の死亡者は23万2千人で,全死亡者の27.1%に達している.つまり,4人に1人は「がん」で亡くなっていることになる.
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