連載 医療提供体制の変貌 病院チェーンと保健・医療・福祉複合体を中心に・3
1991〜2011年の医療法人病院チェーンの推移と構造
二木 立
1
1日本福祉大学
pp.669-675
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211040
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
■はじめに
本連載第3回と第4回では,各種の病院名簿を用いて,民間の病院チェーンの推移と構造を検討します.第3回では医療法人病院チェーンについて検討し,第4回ではそれ以外の病院チェーンについて検討します.
本稿のポイントは以下の通りです.①1990〜2015年の25年間に全病院の病院数・病床数は減少し続けているが,医療法人の病院数・病床数は逆に増加し続けている.②医療法人病院チェーンは1984〜2002年に漸増した後,2002〜2011年に急増し,2011年には医療法人病院病床の3割弱(28.7%)を占めるに至っている.③2011年でも医療法人病院チェーンの8割弱(76.4%)は2病院のみの開設であり,7割弱(69.5%)が病院数500床未満であり,8割強(84.0%)が1都道府県でのみ病院を開設している.④医療法人病院チェーンの病床は4割強(42.5%)が一般病床であり,「一般病床主体」の法人が半数弱(45.1%),「ケアミックス」が7割強(72.3%)を占める.⑤1,000床以上の巨大医療法人病院チェーンは漸増し,2011年には31となっており,そのすべてが「ケアミックス」である.これらの巨大病院チェーンのうち20の本部は首都圏または関西圏にある.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.