特集 病院栄養業務の質の向上を目指して
在宅医療チームの一員としての栄養士の役割—医師の立場から
髙添 正和
1
,
井上 昇
1
1社会保険中央総合病院内科
pp.149-152
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901160
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
医療における技術革新(イノベーション)は目ざましく,1993年には遺伝子治療がはじまり,DNA (デオキシリボ核酸)が薬剤とし臨床応用される日も近いと言われている.医療のハードな面でのqualityは飛躍的に向上しつつある.一方で,一般の人々は各個人の生活領域に意味と満足感を与える積極的な在り方,言い換えればqualityに強い関心を向けるようになり,「より人間らしい医療」が希求されるようになってきた.とりわけ慢性疾患の患者では,原疾患や医療内容について,患者自身がどういう主観的感情を抱いているかを,治療方法を計画実施し,評価する際に,考慮しなければならず,そのことが重要な要素になりつつある.従って患者のQuality of Life (QOL)を充分配慮した医療の実践が期待されており,その方策として在宅医療が注目されてきている.
本稿では在宅経腸栄法の実践を通して,在宅医療における栄養士の役割について述べてみたい.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.