特集 病院のチェーン化・ネットワーク化
[座談会]医療政策と病院のチェーン化・ネットワーク化
早川 大府
1
,
山口 剛彦
2
,
河北 博文
3
Daifu HAYAKAWA
1
,
Takehiko YAMAGUCHI
2
,
Hirobumi KAWAKITA
3
1葛西中央病院
2厚生省大臣官房
3特定医寮法人河北総合病院
pp.953-960
発行日 1991年11月1日
Published Date 1991/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901046
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病院のチェーン化をどうみるか
河北 本日は,お忙しいところをご出席いただき有り難うございました.今月の本誌の特集テーマは「病院のチェーン化・ネットワーク化」ということでございますけれども,何が一体チェーン化であり,ネットワーク化であるかということすら,我々は明確な定義をもっていないのが現状であろうかと思います.しかし,特に1970年代以降,目に見える形で,あるいは見えないところで,民間病院のチェーン化がかなり進行してきた感じがあります.それからチェーン化といって良いのかどうかわかりませんけれども,従来から日赤,済生会など横断的なつながりをもった病院組織もあります.
1970年代にはアメリカでも同じような動きが起こっています.1965年にメディケア,メディケイドが導入されて以後,医療に対するアクセスが非常に高まり,それをビジネス化していく動きがみられ始め,70年代に営利病院のチェーンが急速に拡大すると同時に,非営利病院のボランタリー・チェーン化というものも進んできたわけです.これは非営利病院が営利病院に経営上対抗する形でチェーン化が進んだわけですが,現在では,両方ともチェーン化の動きは一段落というところです.
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