主張
「振り分け機能」を考える
O
pp.193
発行日 1991年3月1日
Published Date 1991/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900869
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医療を提供する場は,病院・診療所の医療施設のみならず,中間施設としての老人保健施設,さらには居宅までもが含まれるべきであるというのが,今後の方向付けであるという.高齢化の進展,福祉施策との整合などを考慮すれば,当然の成り行きと考えられる.患者・住民は,自らのニーズに応じて最も適切かつ公平にサービスを受けられることが保証される態勢が取られる必要がある.
患者の病状や問題点を評価し,適切と考えられる施設や制度に振り分ける機能は,サービスを受ける者・担う者の利害が関連して,それらの運用の条件が厳しくなるほど重要な役割を果たすことになる.従来の医療においては,病院に入院するにしろ福祉施設等へ転出するにしろ,医師の裁量や当事者の自由な連絡・協議で十分に対応が可能であったのである.しかし,在宅も含めた公平なサービスの実施と,患者の円滑な受け渡しを図るためには,新たな調整機能が必要となってきたのである.
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