特集 「高機能病院」の目指す道
「高機能病院」を考える
伊賀 六一
1
Rokuichi IGA
1
1東京都済生会中央病院
pp.740-743
発行日 1990年9月1日
Published Date 1990/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900725
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はじめに—医療法の改定について
医療を取り巻く環境の変化は,現代に入ってその速度を増し,医療にとって激動の時代を迎えているといって過言ではない.すなわち医学・医療の専門分化による高度な発展,高齢者社会の到来,医療の経済性の問題,更には医の倫理の問題なども含め,それに対してこれからの病院がどうあるべきか,病院の概念,また病院の構造や機能について,常に新しい問題が提供され,かつ解答が迫られているといってよいであろう.
我が国の医療社会で,「医療資源の開発と配分」,「病院機能の明確化」,「インフォームドコンセント」,「病院機能評価」などについて語られるのも,そうした認識から出発したものである.その意味で病院医療の質の向上と効率化を具体的に図ることは現代の医療社会の大きな命題であろう.
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