特集 病院のパラダイムシフト
医療における社会保険の役割と限界
安田 恒人
1,2,3
Tsuneto YASUDA
1,2,3
1宮城県医師会
2宮城県病院協会
3財・安田病院
pp.25-28
発行日 1991年1月1日
Published Date 1991/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900832
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わが国の貿易黒字が依然として続き,資産の蓄積の解消のために海外での投資も依然として行われ,外圧もあろうが海外への援助も次々に発表され,国内では今後10年間に430兆円の公共投資を行うと政府が表明しているのに,医療の世界では病院の経営があっぷあっぷで,やっと運営を維持することの限界にあって,民間の病院が身売りをする話があちこちで囁かれ,現実化し始めている.
先行きが不透明だとはいわれながら,とにかく医療以外の自由経済社会は成長を示しているのに,この社会のなかで取り残された統制経済の医療がここにある.このような現実に当面するに至った原因と,よってきた制度運用のあり方や責任の所在を掘り下げて,どうすればこのような歪みを解消できるのかを検討することが急務であろう.そしてそれがこの特集企画の目的なのだろうと考える.
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