厚生行政を読む
新医療技術の臨床適用
厚生行政研究会
pp.714-715
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900719
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はじめに
最近,肝臓移植を始めとした新しい医療技術の臨床適用が盛んになってきているようである.医療技術が進歩すること自体は,基本的には歓迎すべきことであろうが,新しい医療技術にはそれが未開拓分野であればあるほど,新たな医療被害を生み出す可能性も内在していることを銘記しておくべきであろう.医薬品の場合は,サリドマイド事件以来,有効性と同時に安全性についても関心が向けられるようになってきたが,医療技術の場合は有効性が高ければ良しとされる傾向もあり,有効性よりも危険性の方が大きい医療技術が登場してきても気づかれにくい状況にある.医療用医薬品も医療技術もその目的とするところは同じであるのに,異なった考え方で臨床適用がなされているのである.これは是認してよい現状なのであろうか.
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