今月の臨床 骨粗鬆症をめぐる新しい話題
診断
骨密度測定の適用
齋藤 裕
1
1昭和大学藤が丘病院産婦人科
pp.1081-1083
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100466
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はじめに
わが国は高齢化時代を迎え,“健康日本21”では,寝たきりにならないで生活できる期間である健康寿命を延ばすなどを目標に国民の健康づくりが推進されている.2020年には4人に1人が,2050年には3人に1人が高齢者となり,わが国は急速な高齢化が進むことが推測されており,現在,骨粗鬆症患者は1,000万人と推測されている.骨粗鬆症によって起こる脊椎や大腿骨頸部骨折は高齢者のQOLを大きく損なうばかりでなく有病罹患率も増加し,死亡の原因になるといわれている.
骨粗鬆症は骨量の低下と骨組織の微細構造の変化を特徴とするが,その主な変化である骨量の低下は自覚症状として現れにくく,本疾患は沈黙の疾患とされ早期発見は困難であり,医療機関の活動のみで早期発見,早期治療が可能な疾患ではないとされている.骨粗鬆症の予防は,早期に開始し,最大骨量となる20歳代までになるべく最大骨量を確保し,それを減らさないよう維持することが重要である.それには国民全体の疾病に対する意識を高め,骨粗鬆症の発生,老年期の骨折予防に努めることが肝要であり,まず自分自身がどれだけの骨密度を有しているかを知ることが重要とされている.
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