特集 救急医療体制の問題点と将来像
救急活動の実態からみた救急業務の課題—東京消防庁救急部
林 栄太郎
1
Eitaro HAYASHI
1
1東京消防庁救急部救急管理課
pp.644-648
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900701
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救急活動の実態
増大する救急需要
東京消防庁の救急業務は,昭和11年に業務を開始して以来50余年が経過し,質量ともに大きな変貌を遂げています.特に近年の救急出場件数の伸びは毎年更新を続け,救急業務が法制化された昭和38年と比べ3.7倍以上の伸びとなっています(図1).これは,高齢化社会の進展や医療ニーズの高まりなどを背景とした社会環境の変化に,核家族化や住民の権利,危機意識の変化などの要因が複雑に関係し,救急需要の増大に拍車がかかっているものと思われ,この傾向は今後も続くと考えられます.
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