特集 在院日数の短縮と退院計画
統計諸表からみた高齢者入院医療の現状
亀山 八郎
1
Hachiro KAMEYAMA
1
1健康保険組合連合会
pp.561-564
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900680
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はじめに
「国民皆保険」が実現したのが昭和36年.わが国の医療保険制度は,少なくとも昭和50年代前半までは,その間の高度経済成長に支えられながら,現物給付出来高払いという支払い方式の下に,誰でもが,どこででも,いつでも,必要な医療が受けられるという体制の確立を目指し,制度の整備・拡充と併せて,数次にわたる給付率の引き上げ,老人医療の無料化(昭和48年)などの措置がとられてきた.
一方では,急速に進む人口の高齢化,疾病構造の変化,日進月歩する医学・医術の進歩,これに伴う高額医療機器や新薬の導入,生活水準の向上による健康意識の高まり,経済変動に伴う診療報酬の引き上げなどは,当然のこととして,国民医療費の増嵩につながった.この間における国民医療費の増嵩を財源負担という角度から眺めてみると,患者負担割合の減少分を埋め合わせする格好で公費負担のウエイトが増大する結果を招来したことがわかる.
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