特集 看護の質に何を期待するか
看護組織の強化による質向上への取り組み
神戸市立中央市民病院にみる看護組織の強化策と将来構想
大町 信子
1
1神戸市立中央市民病院
pp.515-518
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900383
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はじめに
平成2年に行った退院患者調査では当院を選んだ理由に,「設備が整っている」「医師が信頼できる」「最新の医療をしている」についで,「看護がゆき届いている」を561名中314名が選んでいる.看護は概ね市民の支持を得て発展してきたと自負したい.また,他病院から赴任された新しい医師は,ここの病院は看護婦がうるさい,医師の言うことを聞かないと看護婦の強さを強調される.事実看護部は組織的にみて他の部署に比べ量的には他を圧倒している.その反面,職位・権限といった面から見ると強いとはいえず,歯ぎしりすることもしばしばある.しかし,職位・権限に左右されない統合された組織的行動,風通しの良さ等もあわせもっている.
今回,この看護組織の足腰の強さの所以を看護組織の歴史に探ると共に,新しい試みである看護部企画調査・業務改善担当者の働きとその影響,組織的将来構想と,さしあたって提供したいと考える看護の質について述べる.
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